「台風=コロッケ」の由来
「台風が来る…コロッケを買いに行かなきゃ!」という謎の習慣が日本に広まったのは、2001年8月21日、2ちゃんねる台風実況スレで書かれた「念のため、コロッケを16個買ってきました。もう3個食べてしまいました。」 という何気ない書き込みがきっかけでした。その書き込みを見て、「なんだか自分もコロッケが食べたくなってきた…」とコロッケを買いに走る人が続出。 結局台風実況以上にコロッケで盛り上がり、以降、台風が来るたびに「コロッケ買いに行こう」という言葉がネット上で飛び交うようになりました。
今や「2ちゃんねるなんて見たことない」というオジサンオバサンや、その書き込みがなされた当時生まれてすらいなかった若い世代にまで、台風と聞くとコロッケを連想する人がいるのですから、流行って何がきっかけで生まれるか分からないものですね。
ただ、コロッケを買うなら台風上陸の前でお願いします。台風の中リスクを冒してコロッケを買いに行くのはやめた方が良いですよ。次の章では、台風の時に出歩くリスクについて説明します。
台風の時に外出するリスク
飛来物
強風の中では、看板や瓦、ゴミ、壊れたビニール傘、壊れた家の瓦礫など、危険なものがたくさん飛んできます。飛んできたビニール傘や雑誌が窓ガラスを突き破ったという話は結構有名ですよね。また、強風に煽られて転倒することなどもあります。強風が吹いている時はとにかく頑丈な建物の中にいるのが一番です。
河川の氾濫によって道路が冠水すると
冠水した道路を通るのは、徒歩であれ車であれ大変危険な行為です。水で埋まった道には、目には見えないたくさんの危険が潜んでいます。激流となった側溝に足を取られたり、溢れた地下水によって蓋が飛んだマンホールに落ちてしまったり…、そうなれば命の危険に直結します。
車の場合も同様です。マンホールにタイヤが嵌って走行不能に陥る、流されてきた流木や鋭利な金属片でパンクして事故を起こす、車全体に浮力が生じてステアリングが効き辛くなり事故を起こす等、様々なリスクがあります。
自分が事故を起こす可能性もあれば、他人が起こした事故に巻き込まれる可能性も。冠水した道路の運転は避けるに限ります。
アンダーパスには要注意
ゲリラ豪雨や台風の時に注意したいのがアンダーパスです。東京都内だけでも、冠水注意個所として挙げられているアンダーパスは130箇所もあります。
アンダーパスとは、道路を掘り下げて立体交差させている道のことで、地面が低くなっているため雨水が溜まりやすく、周辺の道路に比べて冠水スピードがとても速いです。アンダーパスで車が冠水して立ち往生し、逃げ遅れて亡くなってしまう…といった痛ましい事故が近年多発していますね。
運転している人間にとって、車が立ち往生してしまった時、車を乗り捨ててその場から立ち去るという判断を下すのは中々勇気が要ります。というか、通常そんな場面に遭遇することはほとんどありませんから、かなりイレギュラーな決断となります。それゆえか、冠水してしまった道路で立ち往生して、どうすればいいのか判断しかねている間に水位がどんどん上がってしまい、結果、水圧でドアが開かなくなって車内に閉じ込められてしまうということもあるようです。
昔の車であれば、窓を手動で開けることができたのでドアが開かなくなっても脱出は可能でしたが、現代は大半の車が窓の開け閉めを電気系統で制御していますから、冠水によって電気系統がダウンしてしまうと、窓を開けることすらできなくなってしまいます。
立ち往生してしまった場所で車が水没するかもしれないと思ったら、雨に濡れようが風邪をひこうが何はともあれ車内から出てしまうのがベストです。しかし、万が一車内に閉じ込められてしまうようなことがあったら、最終手段として非常用ハンマーが役に立ちます。
非常用ハンマーというのは、開かなくなった窓を割ったり、外れなくなったシートベルトを切ることができるという、まさに非常時用のハンマーのことで、当然こうした場面に遭遇することがなければ使い道は一切ない代物ですが、いざという時これがあれば、命が助かります。大した値段でもありませんし、車に積んでおいてもそう場所を取るものでもありませんから、用意しておくと良いでしょう。 ちなみに、割りやすいのはフロントガラスよりサイドの窓ガラスです。
川などを見に行かない
好奇心にせよ安全確認のためにせよ、台風やゲリラ豪雨で増水した河川を見に行って事故に遭う方がたくさんいます。現在進行形で増水している河川はもちろんのこと、これから増水が予想される河川、雨が上がった後なども、危険です。川の水位が上がるのなんて、本当にあっという間です。
コロッケだけでなく、台風の時には他にも備えておくべきものがある
まずは明かりを確保しよう
落雷や突風、倒木などによって電線に異常が生じると、停電が発生することもあります。 日中の日のある間ならまだしも、夜に電気が点かないとなると本当に真っ暗になってしまいます。 住み慣れた家の中であってもぶつかったり躓いたりして怪我をすることもありますので、なにはともあれ、明かりの確保が必要です。
ろうそくなどを用意しておくのも良いですが、ろうそくは一定の時間が経つと燃え尽きてしまいますし、火災なども心配ですから、災害用のライトやランタンを用意しておくと安心です。
手巻き充電式なら、いざ使おうとしたときに電池切れでした、なんて残念な結果にならずに済みますね…
災害情報を得るための手段を確保しよう
状況に応じて避難なども必要になりますし、情報を得るための手段を確保しておくことは災害時には必須です。
テレビは停電すると使えません。電池式のラジオは電池が切れてしまったらやはり使えません。 携帯も充電が切れてしまうと使えなくなってしまいます。
手回しで発電するタイプのラジオや、容量が大きめのモバイルバッテリーなどを用意しておくと安心です。
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冷蔵庫の中をいかに保冷するか
停電すると心配になるのが、冷蔵庫の中身です。食材が痛んでしまったり、冷凍しているものが溶けてしまうと勿体ないですよね。
対策としては、日頃から保冷剤を冷やしておき、停電した時はそれを庫内に適宜配置することである程度の時間を凌ぐことができます。凍らせたペットボトルなどでも良いので、用意しておきましょう。
保冷材はエアコンが壊れて暑い時に涼をとるといった用途にも使えます。
水の確保
飲み水の備蓄は、ひとりあたり一日3リットル×3日~10日分が必要だと言われています。 エレベーターが使えなくなったマンションなどで、重い給水タンクを運んで何往復もするのは大変です。家族の人数によっては、そこそこスペースが必要にはなりますが、なるべく余裕をもって備蓄しておきましょう。
また、トイレや洗濯、手を洗うなど、飲み水以外にも水は必要です。お風呂のバスタブに水をためておきましょう。
食料の確保
昔は非常用の食糧に美味しさやバリエーションなどを求めることはできませんでしたが、最近は実に多種多様な非常食があります。あれこれ探して買い揃えるのが面倒な場合は、レトルト食品や缶詰、栄養補助食品などを予めセットにして販売しているお店などもありますので、思ったより簡単に揃えることが可能です。
ちなみに電気やガスが止まっても、カセットコンロが一つあると何かと便利です。
備蓄と共に、避難する際の持ち出し品も準備しておきたい!
まとめ
台風やゲリラ豪雨に直面したら、まずは決して危険に近づかないことが大切です。また、普段から台風などの災害に備えて、物資を備蓄したり必要なグッズを用意しておきましょう。そして、台風が近づいて来たら、コロッケを買っておく他にも、万が一に備えてお風呂に水をためておく、モバイルバッテリーなどを充電しておくといった準備も必要です。
備えあれば憂いなしというのは本当です。準備がない状態で災害に直面したら本当に大変ですが、事前の準備ひとつでピンチを楽に乗り越えることができるのですから。