インスタグラムなどを見ていても分かりますが、写真撮影って屋外で行うことが多いですよね。 何気ない町並みや自然の風景も、カメラ好き、写真好きにとっては時にテンションがギュイーン!と上がる恰好の被写体です。 けれど、夢中であちこち撮りまくっているうちに、ふと気付いたら喉がカラカラ、頭クラクラ、汗だくだく、なんてことはありませんか?実はそれ、とっても危険な熱中症の症状かもしれません。
え?特に暑い場所にいたわけでも運動してたわけでもないのに熱中症!?そもそも熱中症はなぜ起こるの?
毎年夏になると、「熱中症に気をつけましょう」「小まめに水分を摂りましょう」と、テレビや雑誌などで大々的に注意喚起が行われます。最近は、学校でも熱中症対策の指導をしているところなどもあるそうですし、薬局やスーパーに行ったら熱中症対策グッズやドリンク、アイスなどもズラリ。
しかし、これだけみんなで気をつけよう気をつけようと言っているにもかかわらず、暑くなってくると、やっぱり大量の熱中症患者が病院に緊急搬送され、中には命を落としてしまわれる方もいます。 これは一体どうしてなのでしょうか?
一般的に熱中症というのは暑い場所に長時間いたり、水分を摂らずに激しい運動をしたりすることで発症すると思われがちですが、実は、それだけではありません。屋内にいたり、いつもどおりの家事や作業をしているだけでも、熱中症に罹ってしまうことがあるんです。(熱中症患者の3割が屋内で罹患しています)
いつものように過ごしているだけで、いきなり熱中症に罹ってしまうのでは、防ぐのも難しいですよね。
また、実際に熱中症に掛かってもその自覚が無く、熱中症の症状をただの頭痛や吐き気、足が攣っただけだと軽く見逃し、そのまま危険な状態に陥ってしまうという例も多いようです。
そもそも、なぜ普段どおりの生活をしているだけなのに熱中症に掛かってしまうことがあるのでしょうか?
まず、熱中症とは、大量の汗をかくことで体内の水分やミネラルのバランスが崩れたり、体温調節が出来なくなったりすることで起こる諸症状の事をいいます。これらは確かに暑い季節に起こりやすいことかもしれませんが、別に汗くらい一年中かきますよね。それに、誰もがみんな、いつも水分塩分が完全に足りた状態だとは限りません。
つまり、普段と変わらない程度の暑さや作業内容であっても、その時たまたま身体の水分や塩分が足りていない状態だったら、熱中症に掛かるリスクはぐんと大きくなるのです。実際、冬でも熱中症になる人はいます。
例えば、運動したり温泉やサウナに入るなどして大量に発汗したにもかかわらず、きちんと水分やミネラルを補給していないままでいると、その後、いくら涼しい環境にいても熱中症の症状が現れることがあります。 利尿作用のあるアルコールやカフェイン飲料などを飲んでしまい、自分では水分を摂っているつもりが逆に症状を悪化させているということも。
やはり大切なのは、日頃から水分やミネラルが不足した状況をなるべく作らないようにすることと、暑い場所を避けることだといえるでしょう。
↓温度と湿度から熱中症指数を教えてくれる便利グッズ
ちなみに、環境省による「熱中症ガイドライン2016」によると、暑さ指数21~25℃程度であっても、運動強度が高いと熱中症が起こる危険性があると記載されています。夏じゃなくても注意が必要なわけですね。
危険信号!? 熱中症の症状とは
熱中症の症状は、重症度によって次の3つに分類されています。
参考:引用元:熱中症Lab【熱中症基礎知識】
- Ⅰ度(軽度): 熱失神
- 熱中症の症状が軽度のとき。体温を下げるために、体の表面部分の毛細血管が拡張して血液が集まります。そのため、一時的に脳への血流が減少し、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気などが起こります。
- Ⅰ度(軽度): 熱痙攣
- 炎天下で運動をしたときなど、大量の発汗によって、体内のナトリウムが失われます。血液中のナトリウム濃度が低下することによって、筋肉の収縮を引き起こし、手足の痙攣や筋肉痛、こむら返りなどが起こります。
- Ⅱ度(中等度): 熱疲労
- 体内の水分が減少して体液や血液量が不足すると、それに伴って脈拍や血圧が低下。強い疲労感や倦怠感、おう吐につながります。適切な処置が遅れると、より重い熱射病に移行しやすい危険な状態です。
- Ⅲ度(重度): 熱射病
- 脱水症状が進行し、もっとも症状が重い状態。体温の調節機能に異常をきたし、体温が40℃を超えます。ひきつけや意識障害、多臓器不全につながり、重篤になると死に至るケースもあります。
これらの症状が現れたら、まずは涼しい場所に移動して、水分や塩分、糖分を補給しましょう。そして、安静にしながら、症状を注意深く見ていくことが重要です。 最初はただの筋肉痛や頭痛だと思っていたら実は熱中症で、気付かないうちにどんどん症状が悪化し、あっという間に危険な状態になってしまったという例もあります。
もし、嘔吐など、2度(中等度)に該当するような症状がある場合は速やかに医療機関へ行きましょう。 病院まで時間が掛かる、病院に行く間身体を冷やせないなどの状況があれば、救急車を呼ぶという判断も必要です。
そして、 本人に意識が無かったり、あっても混濁しているような場合、または自力で水分補給が出来ない状態であれば、それは迷わず救急車を呼ぶべき状況です。
熱中症予防には水分・塩分・ミネラル!
熱中症を予防するには水分を小まめに摂りましょう、というのは昔から良く聞く言葉ですが、実際のところは「水だけ飲めばOK」というわけでもありません。
大量に汗をかいたら、水分だけでなく、塩分も身体から失われてしまいます。 そんな時、塩分を摂らず水分だけを補給してしまうと、血液中のミネラルの濃度も下がってしまうため、身体はこれ以上その濃度が下がるのを避けようとします。 すると、実際には脱水状態にあるのにノドの乾きが無くなったり、尿や汗で水分を排出しようとするためますます脱水が酷くなってしまうのです。
大量に汗をかいた時の水分補給はもちろん必須ですが、塩分糖分も必ず一緒に摂取してくださいね。
↓熱中症対策商品として登場した塩飴にも、レモンやサイダーなど色んな味がありますよー
なお、熱中症防止のための飲み物の温度は、5~15℃が吸収が良く、効率的に水分補給できると言われています。 5℃というと、冷蔵庫でしっかり冷やした飲み物の温度がそれくらいですね。ですので、熱中症予防のために携帯する水分は、その温度を保てる容器が望ましいといえるでしょう。
↓夏は冷たく、冬は温かいまま飲める保温マグやタンブラーが活躍してくれそうです。
どうぞ、熱中症には十分注意して、夏の撮影をお楽しみくださいね!