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そのデータバックアップ、本当にUSBや外付けHDDで大丈夫?

2017.12.25

みなさまはバックアップってどのように取っていますか? 生きていると、写真や音楽、動画、ドキュメント、計算表など、残しておきたい大切なデータがどんどん増えていきますよね。

例えば、そうしたデータを昔ながらの「紙で残していく方法」で保管するなら、劣化や置き場所の問題はあるとはいえ、ある日突然消え去ってしまうということは、基本的にはありません(災害で消失したり、盗難に遭ってしまうといったことががあれば話は別ですが……)。

しかし、デジタルデータは違います。場所も取らず、色褪せたり虫に食われたりすることがない代わりに、記憶装置のご機嫌ひとつで、いつでも全てが一瞬で消え去ってしまう可能性があります。

つまり、デジタルデータにはバックアップが必須ということ。 では、フラッシュメモやHDD、クラウドなど、バックアップの手段が多様化してきた昨今、一体どれが最も安心で済的なバックアップの方法なのでしょうか?

フラッシュメモリの耐久性と平均寿命

最も手軽で安価な記憶媒体のひとつに、フラッシュメモリがあります。USBフラッシュモリや、SDカード、マイクロSDカードなどがそうです。これらの寿命は、短ければ1年、長れば10年などと言われており、一概に論じるのは難しいのですが、品質はある程度値段と例していることが多いです。高ければ良いわけではありません。その時々の相場をよく見ことが大切です。一般的な価格より異常に安いものがあるとしたら、安いなりの理由があと考えるべきでしょう。

また、フラッシュメモリはデータの書き換え回数にも上限があります。大抵は少なくと数万回~100万回は書き換えできるという触れ込みで販売されていますので、それほど神経になる必要はありませんが、基本的にはPCに差し込む頻度、データの書き換えの頻度が多ければ多いほど寿命は短くなります。

ただ、少ない使用回数、短い使用期間であっても、ぶっちゃけ壊れる時は壊れますから運もありますよね……。

要は、フラッシュメモリはいずれ必ず壊れるもの、決して半永久的にデータを保存できるツールではない、という前提で使わなければならないということです。逆にそれさえ忘れに、大切なデータは常に複数のバックアップをとるようにしておけば、ひとつのフラッシメモリのデータがダメになっても、それほど大きなダメージにはなりません。複数のバックアップが全て同時にダメになる確率は、それほど高くはありませんので。

また、フラッシュメモリを使うにあたってもうひとつ注意しなくてはならないのは、企業のウィルス感染や情報漏えいです。会社にはいろいろな人間が集まるため、リテラシーのベルも様々です。企業内で使用しているPCからフラッシュメモリを使って情報を持ち出す場合は、一定のルールを設け、それに則って行う必要があるでしょう。

ハードディスクの耐久性と平均寿命

フラッシュメモリより更に安価で大容量のデータを保存できるのが、外付けハードディクです。2017年4月現在、3TBの外付けHDDが一万円を切っているような状態ですから、本当に安くなりました。保存したいデータ量が多い方は、フラッシュメモリより外付けHDDを使う人が多いのではないでしょうか。

外付けHDDの寿命は、約1万時間、3~4年だと言われています。

もちろん、買った翌日壊れたという人もいれば、10年使えたという人もいますので、これもモノによる、というか運による部分も大きいでしょう。壊れる時は、ある日突然。いきなりPCに認識されなくなって、はい、さようなら、です。外付けHDDもフラッシュメモリと同じく「いつかは必ず壊れる」という前提で、いつその時が来ても大丈夫なように、別のバックアップを取っておくのが安全です。

外付けHDDの電源は入れっぱなし?小まめにオフ?

外付けHDDの寿命は1万時間、ということは電源が入っている時間が短ければ短いほどHDの寿命は延びるのでしょうか?

実は、基本的にはその通りです。ただ、一日に何度も電源のオンオフを繰り返すと、かえって負荷が掛かるという面もあるので、あまり頻繁なオンオフはNG。

「データを入れた後はHDDの電源を抜いて、日頃は使わない」

くらいの使い方であれば、毎日使っているHDDよりは長く使えるはずです。(それでもいずれは必ず壊れますので、大切なデータならそのHDD以外にもバックアップは必須です)

ただし、電源を抜いたまま、何年も何年も放置していても大丈夫なのかというのではありません。数年に一度は電源を入れてHDDを回転させないと、玉軸受けとれる部分のオイルが発してHDDが回転しなくなってしまいますし、温度や湿度が保たれていないと、データが消えてしまうこともあります。

また、かつてフロッピーディスクやMOが普通に使われていた時代の事を考えると、外付けHDを読み込める自体が未来にはなくなっている可能性も考えられますので、やはり定期的にデータを新たな記憶装置に移しかえる作業は必要でしょう。

クラウド活用

最近ではクラウドサービスも多くなってきています。クラウドの利点はネット上にデータを保存する事でどの端末からでもネット環境さえあれば簡単にアクセスできること、そして、自分でデータ保全のための作業、――たとえば新しいHDDやフラッシュメモリを買い換えデータを移し変えるなどの作業をする手間が省けるという点にあります。

しかし一方で、そのクラウドのサービスが終了してしまうこともあれば、データの消失流出といったリスクもあります。iCloudから、海外セレブのごとくプライベートな写真など流出してしまった事件は記憶に新しいですね。

結局、今のところ、100%安全と言えるようなデータ保管方法はありませんから、クラウドを利用するにしても、ローカルでフラッシュメモリや外付けHDDにデータを保存するにしも、万一に備えてのバックアップは不可欠です。

クラウド別料金例

クラウドと一口に言っても、発生するコストはそれぞれ異なります。

ここでは有名な数社のクラウドサービスを比較してみましょう。

※全て2017年4月27日現在の価格です。

グーグルドライブ

  • 15GB - 無料
  • 100GB - ¥250 / 月額
  • 1TB - ¥1,300 / 月額
  • 10TB - ¥13,000 / 月額

Yahoo!ボックス

Yahoo!プレミアム会員
  • 50G - 無料
  • (Yahoo!プレミアム会員費 月額¥462)
  • プレミアム会員以外
  • 5GB - 無料
  • +100GB - 700円 / 月額
  • Amazon

    プライム会員
  • Amazonプライム・フォト
  • 写真なら無制限、他データ(動画やドキュメントなど)5GB - 無料
  • プライム会員以外
  • Amazon Drive
  • 無制限 - ¥13,800 / 年
  • Dropbox

    • 1TB - ¥1,000 / 月額

    クラウドとローカル保存、どっちがお得?

    クラウドと一口に言っても、提供する会社によって価格設定はかなり変わってきます。一般的に言えることは、当たり前ですが、容量が増えれば増えるほどコストも掛かるということでしょうか。

    ちなみに2017年4月現在、128GBのUSBフラッシュメモリや500GBのポータブル外付けHDなら6千円前後、3Tの外付けHDDも1万円を切っているような状態なので、単純にコストだを見れば、クラウドの方がかなり割高という印象です。

    しかし、動画や音楽データに関しては、HDDやフラッシュメモリに保存すると、それを繋いでいるPCからしか観たり聴いたりすることができませんが、クラウドに保存された動画データや音楽データは、あらゆる手持ちの端末からストリーミング再生することが可能です。

    また、複数の端末でデータを使う際でも、フラッシュメモリやHDDのようにデータを持ち歩く必要がないので、盗難や紛失の心配がありません。保存したデータを便利に活用できのは圧倒的にクラウドですね。

    一方で、クラウドに保存するには不向きなデータもあります。

    クレジットカードやその他もろもろのパスワードなどを記録したファイルや、他人には知られたくないプライベートな写真などがそうです。

    万一流出した際にダメージがあるものは、実は紙媒体で保存して家に置いておくのが安全なのかもしれません。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。上記の要点をまとめると以下のようになると思います。

    結局のところ、100%安全で、半永久的にデータを保存できるというストレージは、ローカルでもオンラインでも今のところない。 コスト面ではフラッシュメモリやHDDが有利。 データの汎用性ではクラウドが有利。ただしクラウドには流出したらマズイものは入れないほうが良い。

    いずれにせよ重要なのは、大切なデータは必ずバックアップを取るということに尽きますね。 ああ、100%安全で半永久的に使える記憶媒体、登場しないかなぁ。