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今日からPDCAを回せる人になって、自分をぐんぐん成長させる!

2018.2.20

PDCAとは、なんぞや?

PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のサイクルのことで、仕事をする上で最もポピュラーなフレームワークのひとつです。元々は、アメリカの物理学者・統計学者にして「統計的品質管理の父」とも呼ばれたウォルター・アンドルー・シューハートが提唱したもので、日本には、シューハートの弟子であるエドワーズ・デミングによってもたらされました。

PDCA、社会人ならほとんどの人が一度は聞いたことがありますよね。

しかし、誰もが知っている割に、「常にちゃんとPDCAサイクルをまわして仕事をしています!」と断言できるビジネスパーソンって、案外少ないのではないでしょうか?企業コンサルさんのホームページなどにも、「これまで見てきた企業の99%が、PDCAという言葉は知っていても、実行はできていない」なんて書いてあるのを良く見ます。(だからこそコンサルさんの出番もあるのでしょうが)

「そもそもPDCAとはなんぞや?」ということを改めて調べてみようとネット検索をしてみると、実に多くの人がいろんな説を唱えていて、逆に「これ!」という答えが見つかりません。考えてみるとおかしなものです。PDCAという言葉は誰もが知っているのに、実践している人は少なく、しかもその意味も人によって解釈が違う。まるで都市伝説です。PDCAとは実際のところ一体何なんでしょう?ホントに私たちの仕事に本当に必要なものなんでしょうか?

実は子供の頃から私たちはPDCAを知っていた

実は私達は、子供の頃からそうとは意識しないままに、既にPDCAサイクルを知っていました。

例えば学校の授業をDo(実行)とすると、時間割をちゃんと整えたり、予習をしたりすることはPlan(計画・段取り)にあたります。Planがキッチリ出来ている子は、忘れ物も少なく、授業の理解度も高いですよね。そして、学校から帰ると復習というCheck(評価)をして、分からないところがあると個別に先生に質問したり、塾で勉強したりするというAction(改善)を行います。こういうことをきちんとできる子は、試験なども一夜漬けなどではなく計画的に準備をして挑み、出来なかった問題もそのまま放置せずに復習し、今度はそれを受験に活かしていきます。

一方、予習はおろか、授業の時間割を揃える事すらまともにせず、年がら年中忘れ物をしている子もいます。これはPlanができていない状態にあたります。授業をちゃんと受けない、受けても聞いていない……こういう子はDoができていない状態で、授業は聞いているけれど復習しないからすぐ忘れる子はCheckがない状態ということになります。PlanもDoもCheckもまともに出来ていないのに、Actionがあるはずもなく……。

前者と後者の間にどんな差が出てくるかは、もう誰もが経験として知っていることですね。(ええ、間違いなくPDCAが回せていない子供だった私も身に染みて知っていますとも)

予習復習をする習慣――、つまり勉強においてPDCAを回す習慣を身に付けた方が良いことは、きっと、どの子も分かっています。けれど、それをちゃんと出来る子もいれば出来ない子もいる……なぜなら、習慣とは一定の努力の上に身に付くもので、一朝一夕で身に付くものではないからです。

PDCAというフレームワークをいざ自分の仕事に活かそうと考えても、なぜか上手くいかなかったり、いつの間にか頭から抜け落ちてしまったりするのは、それを把握していないからかもしれません。

通常、フレームワークというと、仕事を進める上で思考を整理したり、問題を分析したりするツール、というイメージが強く、「ツールなのだから必要に応じてすぐに使えるものだ」と考えてしまいがちです。けれど、PDCAは必要な時だけ取り出して使えるツールではなく、習慣化するという前提が無ければそもそも成立しないものだったのです。螺旋階段を昇っていくように、PDCAをぐるぐる回しながら目的へと近づいていくのが、PDCAの本来の姿というわけですね。これはよく「スパイラルアップ」とも表現されます。

このように、子供時代の勉強のやり方ひとつとっても、PDCAサイクルを積み重ねていくことの大切さは理解できます。仕事人生は学生時代よりずっと長いわけですから、これから10年、20年、30年働いた先、PDCAを積み重ねた人とそうでない人では、立っている場所、見える景色が全然違うものになっているという可能性もありますね。

つまり、PDCAは別に都市伝説なんかじゃなかったわけです(笑) 第二次世界大戦後、何十年にも渡ってビジネスの現場で継承され、重視され続けてきたのだから、そりゃそうですよね……。

具体的に自分の仕事をPDCAに落とし込むには?

PDCAが、常に意識し続けなくてはならない習慣のひとつだ、ということはわかりました。では、いざPDCAを習慣化するぞ!と決意を固めたところで、これを自分の仕事にどう落としこんでいけば良いのか、というのが、また難しい問題です。

新人研修などでも、「PDCAというものがあるよ」とは教えてくれても、その使い方は教えてもらえません。営業部、経理部、総務部、企画部など、会社にはたくさんの部署がありますが、持っている仕事によってPDCAがそれぞれにまるで異なるからです。仕事というのは、本当に千差万別です。業種、職種、会社の規模、その人のスキル、キャリアなどによって、仕事の内容が全然違うのですから、フレームワークの適用の仕方もやはり人それぞれとしか言いようがありません。まず、PDCAサイクルを回せるようになるための最初の難関は、自分の仕事を自分なりにPDCAに落とし込むことと言っても良いでしょう。

ちなみに、Planひとつとっても、持っている業務内容によって考え方は全く違ってきます。たとえば、全く未知の分野――、それまで会社になかった事業を起ち上げるなどの仕事をする場合は、予想を立てるための経験値がゼロなわけですから、Planにやたらと時間を掛けてもムダ。トライ&エラーを繰り返すことを前提として「とりあえずやってみる」というやり方で仕事を進めていくしかありません。重要なのはやってみた結果を次にどう活かすかなので、PDCAの中で重視すべきはCheckやActionの部分になります。

逆に、総務部などで会社の社屋移転などを仕切ることになったら、「とりあえずやってみる」では大変なことになってしまいます。移転元で荷物をまとめる段取り、それを搬出する段取り、移転先ではどの荷物をどこに運び込み、どの順番で設置していくかの段取り、電気機器関連の設置やネット環境の段取り……、想像するだけでも気が遠くなりそうなほど膨大で綿密な段取りが必要です。こうした性質の業務の場合は、Planがすべてと言っても過言ではありません。

Planにどの程度のパワーを掛けるべきかについては、まずそれが可逆か不可逆かで分類することができます。不可逆な事案ならプランは綿密に、可逆な事案なら、やってみてダメなら元に戻せばいいのですから、プランにあれこれ時間を掛けるより、下手でもいいからとにかくやってみる、そのスピードこそが大切、ということもあります。

さて、あなたの仕事は、プランにどの程度パワーを掛ける必要がありそうですか?PDCAのなかの、どの部分が肝になりそうですか?

まずは、自分なりのPDCA、目標へと続く螺旋階段を見つけてみましょう。そして、それを一段一段着実に昇っていくのです。そうすればきっと、気付いた時には最初の一段目よりずいぶん高い場所まで昇ったことに気付くはずです。

使えば使うほどに味の出る革の手帳で「デキるビジネスパーソン」感もグッとアップ!

スケジュールを手帳に書き込むときは、「Do(実行)」だけでなく、「Plan(計画)」を作るための時間、それを「Do(実行)」するための時間、「Check(評価)」や「Action(改善)」のための時間も書き込むと、PDCAを習慣化するのに有効です。