ここ数年、マイボトルを持つ人が多くなってきました。
軽量なプラスチックタイプのものや、保温性の高いステンレスタイプのもの、陶器製のものなど、様々なタイプのボトルが発売されています。中でも最もポピュラーなのは、やはり保温性の高い真空断熱のステンレスボトルでしょうか。
マイボトルのメリット
保温機能と経済効果が地味にスゴイ!
保温ボトルの最大の魅力は、なんといっても温かいものを温かいまま、冷たいものを冷たいまま飲めるという点ですよね。冬は冷え対策にもなり、夏は熱中症対策にもなるので、一年中愛用しているという人も多いと思います。
また経済的な効果も見逃せないポイントです。外出先で喉が渇いて、カフェに入ったりコンビニや自販機で飲み物を購入するのは良くすることですが、これ、案外高くつくんですよね。
一回一回に掛かる金額はほんの数百円ですから、それほど高いお金を使っているという感覚はありませんが、塵も積もれば何とかで、改めて計算してみると、飲み物代で月に数千使っていた、なんてことも珍しくありません。
月に数千円ということは年単位で考えると数万円。それだけの額があれば、ちょっと素敵なお洋服やアクセサリーを買ったり、旅行に行っり、高級なレストランでコース料理を楽しんだりすることもできます。
スポーツや習い事、資格取得のための費用にもなりますね。
マイボトルは何気なく浪費していたお金を、豊かな消費や投資、もしくは手堅い預金へと変えてくれる魔法のアイテムなのかもしれません。
マイボトルで健康に!
マイボトルを使う習慣は健康面でもメリットがあります。
たとえば、コカ・コーラに含まれる炭水化物は500mlのペットボトル一本で約56g。これはスティックシュガー約19本分もの糖質です。
しっかり自覚した上で飲んで、他の食事などで糖質の摂取量を調整しているなら問題はないでしょうが、清涼飲料水にどの程度糖質が含まれているか、なんて、細かくチェックしがら飲む人はあまりいません。その場合、自分でも気づかないうちに大量の糖質を摂取してしまっていることになります。
その点、自宅で作る飲み物なら、何がどの程度入っているかは作った本人が一番良く分かっていますから、安心です。いくら甘く作ったところでスティックシュガーを19本も入れることは、まずありませんよね。
糖質の摂り過ぎは肥満を引き起こすだけでなく、認知症や様々な内臓疾患の原因になります。頻繁にジュース類を飲む方は、一度摂取している糖質の量をチェックしてみてくださいね。
マイボトルのデメリット
とても便利で経済的なマイボトルですが、使う上でいくつかの気を付けなければならない事があります。これを誤ると、健康を害したり、せっかくのマイボトルが破損してしまったりすることがあるので、ご注意ください。
危険!? マイボトルに入れてはいけない飲み物
ステンレス製のマイボトルには、いくつかの入れてはいけない飲み物があります。塩分の多い飲み物(スポーツドリンク等)、果汁などの酸性飲料、乳酸飲料、炭酸飲料などがそうです
理由は、それらの飲料はボトル内部の金属を溶かしてしまい、溶けだした金属が原因で中毒が起こる可能性があるから。
とはいえ、マイボトルにスポーツドリンクなどを入れて使いたいというニーズは多いですよね。そういう場合は、象印やサーモスなど一部メーカーから、内部のフッ素コートが通常より分厚くなったスポーツドリンク対応のステンレスボトルが発売されていますので、そちらを使うのがおすすめです。
マイボトルが原因でお腹を壊した!? 雑菌の繁殖に注意
最近は、なんでもかんでも除菌殺菌と煩い世の中です。水で絞った布巾でテーブルを拭くのが汚いことであるかのようにいうコマーシャルなどもありますが、除菌シートやスプレーなどが発売される前は、どの家庭でも布巾でテーブルを拭くなんて当たり前のことでした。そして、布巾でテーブルを拭いたからと言って病気になったとか食中毒になったなんて話は聞いたことがありません。
人の肌には1兆個以上、腸内に至っては100兆個以上もの菌がいると言われています。つまり、100%菌を排除して生きるなんて、元々無理な話なのです。ですから、必要以上に菌に大して過敏になる必要はありません。
しかし、実際に病気の原因になる菌や、食中毒を引き起こすレベルにまで雑菌が増殖してしまうことについては注意が必要です。
実はマイボトルには、雑菌の増殖によって食中毒を引き起こすリスクがあります。飲む際に容器に直接口を付けて飲むことで、口腔内の雑菌が容器内に入り込み、時間の過とともにその雑菌が増殖。それを再び飲んでしまうことで食中毒を引き起こすほど大量雑菌を摂取することになってしまうことがあるのです。
これは、マイボトルに限った話ではなく、ペットボトルや缶ジュース、普通のカップなど、直接容器に口をつけて飲む飲み物全般に言えることです。
2014年6月、株式会社エフシージー研究所が、「口をつけたペットボトル飲料の細菌が時間経過とともにどの程度増殖するか」という実験を行いました。ちなみに飲料は無添加の麦茶です。
結果は、最初の2時間で細菌の数は870個、4時間で10,000個、6時間で18,000個、8時間で33,000個、10時間で64,000個、そして24時間では230,000個にまで細菌が増殖するという結果が出ました。
「あさチャン!」ではカフェオレのペットボトルを28度の環境下に置いて実験を行ったそうですが、そこでも、口をつけた直後で1リットル当たりの細菌数が1,000個、3時間で13,000個、6時間で24,000個、12時間で13,000,000個、24時間で20,000,000万個にまで菌が増殖しました。
大阪府立公衆衛生研究所のホームページによると、一般的に細菌による食中毒は、10万~100万個の菌を摂取しないと発症しないとありますので、上記の結果を見る限り、デッドラインは10時間、できれば4~5時間で飲み切るのが良いようです。
※少数の菌数でも食中毒を起こす最近もあります。O-157やサルモネラ菌、ノロウィルス、カンピロバクターなどがそうです。
マイボトルの飲み物は可能であればコップなどに移して飲む、もしくは朝に飲みだしたものなら夕方には飲み切るようにするのが無難でしょう。
ちなみに、象印のボトルなどには抗菌効果の高いAg+を配合し、菌が繁殖しにくい飲み口を採用しているものもあります。気になる方はそうしたものを使ってみると安心感が増すかもしれませんね。
ステンレスボトルのお手入れには意外とNG項目がいっぱい!
どんな材質のカップであれ、ある程度使っていると茶渋などの汚れが付着してしまいますよね。そしてそういう時は、つけ置き洗いや塩素系洗剤での洗浄をされることと思います。
しかし、実はステンレスボトルには、塩素系洗剤の使用はNGなのです。それだけではありません。煮沸したり、食洗器や乾燥機、つけ置き洗い、金属たわし、研磨剤、シンナーやベンジン、すべてがNGです。
塩素系洗剤はサビや穴あきの原因になったり、臭いがとれなくなることもありますし、つけ置き洗いや、洗ったあと水が付いたまま放置するなどの行為は、サビの原因になることも。
でも、茶渋などを放置したまま使うのは気が重いですよね。そんな時は酸素系漂白剤がおすすめです。 酵素系の洗剤は用途が広く臭いも少ない上、清浄力も高いことから、愛用者が増えてきていますね。
マグボトルは、使用する上での注意事項をしっかり把握して使えば、とても便利で経済的で健康的なアイテムとなります。 ぜひ正しく活用して、節約や健康にお役立てくださいね。